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<令和5年度活動報告> |
■2023 写真で見るササ原の荒廃状況 三嶺北西斜面のササ原調査報告 【報告書作成の目的】 三嶺(標高1894m)は、ミヤマクマザサとコメツツジ群落が(国天然記念物)が平坦な山頂部に広がり県内外の登山者を魅了している。また、この群落は三嶺から西へ稜線部伝いに天狗塚、牛ノ背までつながっており当山域のシンボルとなっている。 剣山山系稜線部のミヤマクマザサは、2008年頃からシカ食害により広範に褐色に枯れたが、2014年頃から少しづつ回復し2020年頃には本来の鮮やかな緑に蘇えった。同山系の中腹の下層植生であるササの一種のスズタケはほぼ枯死し回復の兆しは見えないがミヤマクマザサは生命力の強い植物といえる。 ところが、三嶺北西斜面のササ原だけは広範に荒廃した後、土壌浸食の段階を経て土砂流失に陥っている。当会は、この区域で2015年頃からササ原と樹木の食害状況について写真で記録してきた。年々、状況が酷くなっている状況であるが、数多い写真から一部の写真を使い荒廃状況の報告をしたい。 当該地は、国有林区域内、国定公園区域内、国の天然記念物指定区域内、特別鳥獣保護林の区域となっており、保護すべき重要な区域であるといえる。関係機関各位には現状を認識していただき、保護策、補修策について検討していただき対策を講じていただくことを強く要望する。 |
■「山のトイレフォーラム」出席報告 日時 2024年3月9日(土) 場所 札幌エルプラザ 主催 山のトイレを考える会 テーマ 「どうする!どうなる!日高山脈国立公園化」 内容 国立公園化により登山者数が増えるとのことから、トイレ、避難小屋、野営地、登山道など、課題の対応策について多くの意見が出されました。同じような課題に直面している当会にとって、大いに刺激を受けました。 フォーラムのチラシ この日の札幌は雪が降り寒い一日でした |
■剣山国定公園指定60周年記念シンポジウム報告 日時 2024年3月3日(日)13:00〜16:45 場所 美馬市市民ホール 来場者数 約300人 主催 徳島県・一般財団法人自治総合センター プログラム あいさつ 県副知事 志田敏郎 記念講演 豊かな自然を次代につなぐ 講師 田中陽希 氏 地元高校山岳部他による活動 脇町高校・つるぎ高校・池田高校 パネルデスカッション コーディネーター 鎌田磨人さん 徳島大学教授 パネリスト 田中陽希さん(ポロアドベンチャーレーサー) 新居智次さん(剣山ヒュッテ代表取締役) 大西伸正さん(南つるぎ地域活性化協議会事務局長) 日下敏嗣さん(一般社団法人 そらの郷事務局長) 暮石 洋 (NPO法人三嶺の自然を守る会理事長) *パネルディスカッションのポイント ・活動内容の報告・剣山の利活用・シカ食害 ・オーバーユース・剣山の自然環境を次世代につなぐ、など チラシ−> (PDFファイルが開きます) |
■三嶺山頂の避難小屋とトイレ 補修工事終える! 2017年から、避難小屋を支える「つっかい棒」が朽ち果て、トイレの引き戸が壊れ使いづらくなっていました。当会は、2017年に担当部署である県環境首都課に補修を要望していました。 紆余曲折はありましたが、補修工事は、本年10月上旬から工事が始まり、小屋の「つっかい棒」を取り換え、トイレは、引き戸はシャッターに代わり、便槽、外壁等も改修を11月下旬に終えました。 <お願い> トイレは、入口が引き戸からシャッターに代わりました。利用の際は、シャッターを開け、用を済ませ出るときはシャッター閉めてください。閉めずに放置すると、雨風や雪が吹き込み、トイレの建物に傷みが出ますのでご協力お願いします。 「つっかい棒」を12本取り換え補修を終えた避難小屋 改修を終えた山頂トイレ |
■四国山岳自然保護研修会報告 実施日 11月26日(日) 場 所 徳島市ふれあい健康館 参加者数 約50人 内容 四国の労山関係者が集まり、自然保護に関する研修会が開催されました。三嶺の自然を守る会の暮石は、主催団体の徳島県勤労者山岳連盟より招かれ、剣山山系のシカ食害について報告をしました。 環境省四国事務所長、大林圭司氏から環境省の自然保護に関する情報、温暖化による諸課題について講演されました。 暮石からは、剣山山系での深刻なシカ食害の変遷と現状について35分ほど話しました。 チラシ−> (PDFファイルが開きます) |
■防シカ柵補修活動報告 実施日 11月11日(土) 実施場所 三嶺林道ヘアピン旧登山口から上部の樹林 参加者数 10名 内容 2020年〜2021年に6基の柵を設置したが、ネットを支えるポールに木製を使用した。木製は強風に弱く「くの字」に曲がったり折れたりする。この日は、約50本ほどのポールを補修した。折れないように、中間部に添え木を付けた。シカがネットに掛り死骸になっていたが、当該地でネットに掛かったシカはこれで5頭目である。 柵の補修活動 ネットに掛かったシカの死骸を外す |
■とくしま県民活動プラザ情報誌「ひと」に掲載されました 「ひと」65号に当会の活動について特集記事として掲載されました。その内容を掲載します。 こちら−>(PDFファイルが開きます) |
■令和5年度県新職員NPO体験研修報告 実施日 10月19日(木)・20日(金) 場 所 剣山 参加者 県職員7名 講 師 内田、市原、天野、中村、暮石、馬岡さん(宮司) 内 容 (1)剣山の樹木 (2)剣山の希少種植物と保護策 (3)登山道の近自然工法による補修法 (4)剣山系、山の楽しみ方、リスク回避について (5)剣山系、今、昔 (6)剣山系のシカ食害の現状と課題 出発前の打ち合わせ 剣神社の食堂で座学 |
■三嶺登山道補修活動報告 実施日 10月14日(土) 場 所 名頃登山道の標高1760m地点 参加者 3名 内 容 9月23日の活動の際に多量の石がざれて道をふさぎ、歩きづらくなっていたため補修を行った。 この日は2班に分かれ、山頂の防シカ柵の補修と荒廃するササ原の調査を予定していたが、雨天予報だったため活動は止め、有志3名が登山道の補修を行った。 道に石を置くことで歩きやすくし、登山者が登山道から外れないようにロープを張った。 登山道に石がざれ落ちた様子 |
■植生回復用椰子ネットの荷揚げ活動報告 〜トイレ・避難小屋改修工事開始確認〜 実施日 10月7日(土) 場 所 三嶺山頂避難小屋 参加者 三嶺の自然を守る会5名、県職員2名、某高校山岳部5名 内 容 名頃登山道標高1840m地点の、のり面が裸地化している箇所に植生を回復させる椰子ネットを敷くことにした。今回は、高校生に協力をいただき、避難小屋まで資材を持ち上げた。ネット設置の作業は次年度実施する。 当会は、2018年から県に対し、山頂部のトイレと避難小屋の改修をお願いをしてきた。トイレは使用しずらいほど老朽化し、避難小屋は小屋を支えるつっかい棒12本が朽ち果てていた。この日、改修工事が始まっていることを確認した。改修まで時間がかかったが、工事が始まり良かった。小屋本体はまだまだ使えそうなので、改修することで長く大切に使用したいものだ。 改修中の避難小屋 改修中のトイレ |
■三嶺山頂部の防シカ柵補修活動報告 実施日 9月23日(土) 場 所 三嶺山頂部(東側) 参加者 会員7名 内 容 今回は、コメツツジ群落の北側(下部)の補修を行った。昨年は南側の補修に追われ、北側は手付かずだった。ネットを吊るすロープが劣化して、ズタズタに切れていた。ネットを保持するパイプは、折れていたり、ネットと一緒に雪で流され無くなっていた。シカは、コメツツジ群落に侵入できる状態になっている。早く補修したいが、10日ほど要すると思われ、年内の補修は無理である。資材は県が避難小屋にプールしているが、ネット、ポール、ロープとも足りない。このことを県のどの部署に言っていいのか分からない。管理部署が不在の状況とのこと、困ったものだ。 柵の補修活動 ロープが切れネットがササ原に落ちていた ネットがなくなりシカは群落の中に侵入できる状況 |
■三嶺山頂部の防シカ柵補修活動報告 実施日 7月29日(土) 場 所 三嶺山頂部 内 容 コメツツジ群落のシカ食害から保護する、柵の補修活動を実施。2015年から補修活動を行っているが、冬期の厳冬期の低温でロープが劣化し、冬、夏の強風で網が破れるなど毎年補修が追い付かない。この日は、50mの柵を張替え、穴のあいたネットを結束バンドで補修した。参加者7名。参加者の募集段階では14名の参加希望があったが、この頃の猛暑もあり、実施日の前日と当日に約半数の人から参加キャンセルがあった。 柵の補修活動 柵の補修活動 |
■<参加者募集>三嶺のコメツツジを保護する防シカ柵の補修活動 ・実施日 7月29日(土) *雨天の場合は30日(日)に順延 ・実施場所 三嶺山頂部 ・集合場所 名頃登山口駐車場(三好市東祖谷名頃) ・集合時間 8時45分 ・申し込み締め切り 7月25日(火) ・持ち物 弁当、飲み物、タオル、軍手、帽子、雨具 ・募集対象 三嶺登山可能な体力を有する人 ・内容:冬期に傷んだネット補修を行います。活動時間は2時間程度。登山口への下山時刻は15時45分の予定です。 ・お申し込み/お問い合わせ 090-3989−3600(暮石) ・主催 NPO法人三嶺の自然を守る会 |
■三嶺登山道現地研修 実施日 6月7日(水)〜8日(木) 場 所 名頃登山道 主 催 県西部総合県民局 講 師 岡崎哲三 氏(合同会社北海道山岳整備) 参加者 18名 内 容 名頃登山道の荒廃箇所において、登山道の近自然工法についての現地研修が実施されました。岡崎氏より、実際に現場を見ながら、近自然工法による補修について説明を受けました。登山道の2か所では、実際に補修施工も行いました。 危険な箇所の補修法について学ぶ 補修の材料は周辺の石や倒木を使う 水抜きについて説明を受ける |
■防シカ柵設置活動報告 実施日 5月24日(水) 場 所 名頃登山道1600m地点 参加者 18名 内 容 昨年11月、同場所に防シカ柵を2か所設置しましたが、さらに3か所を追加設置しました。この場所の樹林は食害により林床の植生が消滅しており、植生回復が目的で、この度の活動を実施しました。 柵設置を行う参加者 柵設置を行う参加者 |
■三嶺山頂部防シカ柵点検活動 実施日 4月16日(日) 場 所 三嶺山頂部 参加者 暮石、土肥、市原、内田、賀川 内 容 今年初めての柵点検であったが、厳しい冬期を経た柵の状況はズタズタ。ネットに穴が空き、ポールが傾き、ネットを吊るすロープが切れている箇所もある。これからの、補修の事を考えると頭が痛い。この日は補修の予定はなかったが、70mほど補修した。この日は、活動に参加していた内田さんの誕生日。山頂でバースデーを祝し、ペットボトルで乾杯した。 柵の補修 ペットボトルで内田さんを祝う |
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