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三嶺の自然を守る会

<令和3年度活動報告>



■2021年活動報告書ができました

防シカ柵が剣山山系の植生を蘇らせる 2021シカ食害対策活動報告書

1.防シカ柵設置と柵内に植生を回復させる活動
2.三嶺山頂部コメツツジ群落保護柵の補修活動と食害調査
3.剣山の防シカ柵内の植生調査
4.荒廃した三嶺登山道沿いの植生回復活動
5.過去の活動資料(徳島県勤労者山岳連盟の活動)

活動報告書活動報告書


■登山道の補修活動報告

実施日 3月20日(日)
場 所 名頃登山道と三嶺林道の交差点から少し上部の箇所
参加者 8名
内 容  この箇所は急こう配になっており流れ込む雨水により痛みやすく、当会はこれまで2回ほど補修を行っている。今回はできるだけ洗堀を防ぐことに注力し、雨水を流入をできるだけ防ぎ、横木の固定に徳島森林管理署から提供を受けた鉄筋の杭を使用した。これまでは3年おきに補修を繰り返したが、この度の補修はもっと長く耐えられると考えている。
荒廃した登山道の状況荒廃した登山道の状況
補修後の状況補修後の状況
活動を終え補修の出来えに満足気な参加者活動を終え補修の出来えに満足気な参加者

■近自然工法による登山道補修(Web研修会)報告

主催 剣山地域連絡協議会登山道部会(県西部総合県民局)
講師 岡崎哲三 氏 (合)北海道山岳整備 代表
実施日 11月15日、12月24日 ・・・詳細はこちらをクリック


■旧登山口(ヘアピン旧登山口)の標識点検報告

実施日 12月1日(水)
場 所 三嶺林道ヘアピン旧登山口
内 容
三嶺林道ヘアピン旧登山口から、ダケモミの丘までの間は廃道になっています。この日、名頃から林道を歩きこの場所に達し登る人がいるため、県担当に同行し、残置されていた登山道標識を切断しました。標識より上部は、シカ食害後、非常に荒れており危険な状況になっています。なお、2010年頃から、名頃駐車場が登山口になっており、登山ガイド本や国土地理院の地形図に旧登山道コースは記載されていません。
残置されていた標識残置されていた標識
残置されていた標識残置されていた標識

■三嶺北斜面 ダケカンバ群落の食害観察報告

実施日 11月21日(日)
場 所 三嶺山域
参加者数 8人
内 容
ダケカンバの食害は、剣山山系でをよく目にします。剣山二の森の群落はほぼ全滅。一の森から南に延びる稜線上の槍戸山周辺では、酷い状況になっています。これまで三嶺北斜面では、ウラジロモミの食害が見られていましたが、ダケカンバの被害は軽微でした。今回の観察の目的は、大きな被害に至っていなかったダケカンバ群落の観察です。今回の観察で、4本のダケカンバに剥皮被害を確認しましたが、これは些細な状況で酷い食害状況は見られませんでした。ただ、群落周辺のササ原にはシカ糞が多くあり、シカは相変わらず多いと考えられ、油断できない状況は続きそうそうです。
三嶺北斜面のダケカンバ三嶺北斜面のダケカンバ
三嶺北斜面のダケカンバ三嶺北斜面のダケカンバ

■防シカ柵内の植生調査

実施日 11月6日(土)
場 所 三嶺林道ヘアピン旧登山口上部の樹林
内 容
 昨年設置した4か所の柵のうち、1か所の柵のポールが壊れていたため補修を行った。柵のポールが15本ほど壊れていたが、シカが柵内に入り柵から出ようと暴れまくったようだ。徳島森林管理署に報告をして、ポール等の資材の提供を受けた。この柵の他、残りの柵も点検と補修を行った。
ポールが壊れた様子ポールが壊れた様子
柵の補修作業柵の補修作業

■三嶺山頂部での活動報告

実施日 10月29日(金)
場 所 三嶺山頂部
参加者数 8人(業者の方2人含む)
内 容
1.県担当の依頼により、山頂トイレの汚物を小型バキュームで取り出せないか業者に見てもらう。トイレ裏の汚物取り出し口から便槽を覗くと、多くのペットボトル、ビニール袋、布類などが浮いており、機器の使用はできないと分かる。山のトイレマナーの啓発を行っているが、微力であったと痛感しました。
2.山頂部の防シカ柵の補修を行う。山頂部には2か所の柵が設置されているが、今年は東側の柵の補修を2度行い、今回の3度目で終了しました。青ザレ北斜面の柵は、今年度の補修は断念し、次年度実施したい。マンパワーが足りないと感じています。
3.今回予定していた山頂部柵のドローン調査は、ドローン調査者の都合により中止しました。
トイレ裏側の汚物取り出し口トイレ裏側の汚物取り出し口
柵の補修活動柵の補修活動
■「初めての山登り講座」講師として支援しました

実施日 10月10日(日)
場 所 剣山
主 催 県西部総合県民局 環境担当
参加者:小学生6組の親子12人
講 師:内田忠宏(県希少種植物指導員・当会員)と暮石 洋(当会代表)
サポート:つるぎ高校山岳部員と顧問の先生、西部県民局の職員
内 容:小学生は2班に分かれて、講師の説明を聞きながら剣山に登頂
(写真:催しを報じる徳島新聞記事)
 

■徳島県職員研修「地域交流体験研修」報告

実施日 10月7日(木)、8日(金)
参加者 県職員5人、講師・スタッフ7人
内容
◇7日
1 見ノ越から西島<講師:内田氏>
 ・古道の急坂を登り、自然林の素晴らしさを感じてもらう
2 刀掛けの松から一の森<講師:森氏(西部総合県民局)>
 ・シカ食害の状況と防シカ柵の効果について解説
 ・近自然工法による登山道補修について説明
3 一の森ヒュッテ前の庭<講師:内田氏、黒田氏>
 ・一の森ヒュッテの支配人としての、9年間の喜びや苦労、周辺の自然について聞く
 ・剣山山系の希少種植物について解説
4 一の森〜剣山<講師:暮石氏>
 ・登山道沿いのダケカンバ群落の枯死について説明
5 剣山ヒュッテ
 ・ヒュッテの新居さんから最近の剣山の状況について聞く
◇8日
1 剣山山頂<講師:内田氏、暮石氏>
 ・山頂部植生のシカ食害について
 ・剣山山系のシカ食害について
2 ジローギューコル経由の下山登山道
 ・登山道沿いの植物解説<講師:内田氏>
3 見ノ越大剣神社<講師:馬岡宮司>
 ・剣山山系のシカとツキノワグマについて聞く
4 見ノ越駐車場<講師:暮石氏>
 ・配布資料の説明

登山道の補修法について聞く登山道の補修法について聞く
一の森ヒュッテで希少種植物について聞く一の森ヒュッテで希少種植物について聞く

■四国森林管理局の広報誌に当会活動が紹介されました

四国森林管理局の広報誌「グリーン四国」9月号に、当会が7月28日に三嶺中腹のおいて実施した防シカ柵設置活動について掲載されました。次の画像をクリックすると、大きな画像が開きます。
 

■ウラジロモミ群落の枯死木調査報告

実施日 9月11日(土)
場 所 丸石コルの東側から北斜面(標高1727m)
内 容
参加者5名で調査を行った。ウラジロモミ群落をテープで特定し、その区域を4分割し、4名がそれぞれの区分の立ち枯れ数をカウンターで数えた。また、群落の全体像をとらえようと、ドローンで動画も撮影した。

調査結果 群落の面積 約5,200u
     立ち枯れ本数 2,394本
     無被害本数   91本



■防シカ柵内の植生調査

実施日 9月3日(金)
場 所 ダケモミの丘の下部、東斜面(標高1280m)
内 容
 2020年6月に、徳島森林管理署の支援を得て防シカ柵を4か所設置した。1年を経た状況について、一か所の柵内の植生の状況を調査した。ブナ、モミ、ヒメシャラ、ミネカエデなど、多くの稚樹を確認した。長い年月を要するだろうが、この活動で、かつての豊かな樹林に戻ると信じたい。
1m正方形を60個設定・その中の植生を調査した1m正方形を60個設定し枠内の植生を調査
柵内には多くの稚樹を確認した柵内には多くの稚樹を確認した

■三嶺山頂 防シカ柵補修活動報告

実施日 8月25日(水)
場 所 山頂東側の設置柵
内 容
8名が参加。1班は、山頂平たん部の痛んだ柵(50m)の張替え作業。2班は、北斜面の柵の補修。3か所ほどネットを吊るロープが切断され、シカの出入りが可能になっていたが、ロープを繋ぎ補修を行った。
作業を行う会員作業を行う会員
補修を終えた柵補修を終えた柵

■防シカ柵設置活動報告

実施日 7月28日(水)
場 所 三嶺中腹、ヘアピン旧登山口より上部、標高1200m・1300m地点の二か所
参加者 徳島森林管理署関係11名、当会関係14名
内 容
 三嶺林道第3ヘアピンに集合。1班と2班に分かれて、資材と工具の荷揚げの準備。1200m地点で、徳島森林管理署の担当から作業の進め方について説明があった。1班は、説明の場所近くで設置作業を行った。2班は、標高1300mまで登り設置作業。作業は1時間半ほどで終え、休憩後下山。1班と合流し、ヘアピンで振り返りを行い解散した。
 昨年は4か所設置した。長い年月を要するだろうけど、柵内に植生が蘇ると信じる。徳島森林管理署と四国森林管理局から支援・協力をいただいたことに感謝しています。
資材の準備資材の準備
作業手順の説明作業手順の説明
柵の設置柵の設置
集合写真集合写真

■防シカ柵設置活動 参加者募集! 〜シカ食害で痛んだ三嶺の森を蘇らせよう〜

実施日  7月28日(水)
集合場所 三好市東祖谷名頃(三嶺登山口)
集合時間 同場所に9時集合
活動場所 ヘアピン旧三嶺登山口より少し上部の樹林の中
内容
 昨年実施しましたが、今年も徳島森林管理署のご支援・ご指導をいただき、防シカ柵を2か所、設置します。

持ち物  弁当、飲み水、帽子、軍手、タオル、雨具等
申込締切 7月22日(木)
申込・お問い合わせ 090-3989-3600(くれいし)
2020年6月の活動時の集合写真2020年6月の活動時の集合写真

■剣山シカ食害調査報告

実施日 2021年5月29日(土)
場 所 剣山登山リフト沿い東側の古道・大剣神社の下部
内 容
見ノ越から登山リフト沿いの古道を登り、食害観察とリフト会社がリフト沿いに設置している防シカ柵の効果を観察する。古道は、西島近くの旧牧野林道終点に行き着く。シカ食害が表面化した頃から土壌浸食が始まった、大剣神社下部の崩落個所の写真記録も行った。
リフト沿いの防護
リフト沿いの防護柵(柵内にはササが勢いよく茂っている)
大剣神社下部の崩落土砂
大剣神社下部の崩落土砂
牧野林道終点の廃墟
牧野林道終点の廃墟
<一口メモ>
1972年、香川県の牧野林業が登山リフト西島駅近くまでの2.25kmの林道計画を進めた。県はいったん計画を認めるが、その後、許可条件に違反したとして保安林解除申請を取り下げを行い、林野庁は取り下げを認めた。1982年、工事中止を求める県の行政処分を不服をする牧野林業が起こした控訴審で、高松高裁は県の処分を妥当とし控訴を棄却した。何れにしても50年も前の出来事であるが、当時林道終点に放置された建物が廃墟となって現存している。

■当会の枯死木調査が徳島新聞に掲載されました
掲載日 2021年5月17日(月)

2020年8月に実施した、剣山三嶺縦走路上の「枯死木」カウント調査結果が、徳島新聞に掲載されました。縦走路の大半はミヤマクマザサに覆われていますが、そのササ原の所々に、ウラジロモミを主とした樹木がありました。その樹木のほとんどが枯死していますが、その「枯死木」数を数え、約4000本のうち3577本が枯死しているのを確認しました。2020年度の当会活動報告書に、詳細を掲載しています。


■三嶺登山道補修活動報告

実施日 2021年5月4日(火・祝)
場 所 名頃登山道 標高1790m地点
内 容
5月1日実施計画だったが、悪天候により4日に延期した。登山道の1790m地点は4年前に徳島森林管理署さんと連携し補修を行ったが、積雪の多い年は階段状が壊れ、これまで度々補修を行ってきた。補修を行わないと、登山者は歩きずらい道から外れササの中を歩くようになり、植生に被害が出ることになる。当会は、登山者の利便性より植生保護の観点から登山道の補修を行っている。この日は、壊れた階段を作り直した。途中から若いインド人の登山者が、「俺に任してくれ」とばかりに活動に加わってくれた。積極的で陽気な彼のお陰もあり、補修を終えることができた。またこの日は登山者が非常に多く、登山口の駐車場には75台ほど駐車していた。避難小屋の清掃や山頂部の植生保護活動も計画していたが、登山者に迷惑がかかりそうなので早々に下山した。写真は登山道補修の様子。



■三嶺山域の現状報告 〜シカ食害のつめ痕 1〜

実施日 2021年4月27日(火)
場 所 三嶺山域 平尾谷川の北側沿い尾根
内 容
 尾根上の標高1400m地点、シカ食害により、尾根から長さ70mほどの南斜面の植生が消滅している。この周辺は、林床の植生被害だけでなく、剥皮被害後の倒木も多く目につく。現状は、裸地化した表土はサラサラと乾燥した土壌となっており、台風などの豪雨の際での土砂の崩落が懸念される。2016年4月に来たときは、裸地の中に島状の植生が点状にあったが、今はもうない。写真は尾根筋の状況。




■2020「三嶺の豊かな森を守る活動」報告書を作成しました

内容
1.野生動物センサーカメラ観察報告
2.剣山・三嶺縦走路のウラジロモミ枯死木カウント調査
3.2020年 三嶺防シカ柵の補修・設置活動報告
4.ニホンジカ糞粒調査

 

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山頂小屋 山頂の池 三嶺遠景