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三嶺の自然を守る会

<令和2年度活動報告>



■希少種植物の保護柵の補修活動報告

実 施 日 2021年3月14日(日)
実施場所 東祖谷西山地区
活動内容
 2013年から、盗掘により減少する希少種植物を保護するための柵の点検・補修を行っていますが、今年も実施しました。柵に倒木が当たり壊れたり、杭が倒れていたため補修を行いました。
 その柵のすぐそばには、フクジュソウが多く咲いていました。この活動を始めたころはフクジュソウは咲いてはいませんでしたが、2年ほど前から咲き始めました。この開花は、私たちの活動へのご褒美だと思っています。



■「三嶺防シカ柵の補修・設置活動 2020」報告書作成しました!

内容
1.三嶺山頂部防シカ柵の点検・補修活動
2.ダケモミの丘の防シカ柵内の植生回復状況
3.三嶺林道ヘアピン旧登山口上部の柵設置活動

報告書の表紙報告書の表紙
ダケモミの丘の柵内で蘇る植生の状況ダケモミの丘の柵内で蘇る植生の状況

■本会は本年、設立20周年を迎えました

 20周年を記念してパネル展、講演会を検討していましたが、コロナ禍であり実施に移せていません。終息時に再度検討し、記念のイベントを開催したいと思います。この20年、様々な活動を行ってきましたが、主な活動を一覧にまとめましたのでご覧いただきたいと思います。
 今後も活動を継続しますのでどうぞよろしくお願いいたします。
一覧はこちら−>PDF(PDFファイルが開きます)


■ニホンジカの糞粒調査報告

実 施 日 2020年12月5日(土)
実施場所 三嶺中腹の樹林(三嶺林道ヘアピン旧登山口の上部)
参加者数 12名(4名1グループで調査)

調査目的
 林床の植生が食害により消滅しシカの餌はないように思えるが、この山域に植生が甦らないのはシカはしっかりと生息していると考えられる。どれほどシカは生息しているのか、シカ糞粒調査により生息頭数を探る。

調査方法
 60mのライン上、5m間隔に各辺1mの正方形を10ヶ所設定。このラインを12本作り、計120の正方形の枠を設定し、枠内のシカ糞を計数。

調査結果 算出生息密度 9.72頭/km2
※県西部総合県民局の森課長補佐に生息頭数を推計してもらった。


■シカ糞塊調査参加者募集

実 施 日 2020年12月5日(土)
集  合 9時30分 東祖谷・三嶺登山口集合
実施場所 三嶺林道ヘアピン旧登山口上部の樹林
募集人数 15人

申込締切日 12月2日(水)
申 込 み 三嶺の自然を守る会 暮石 090-3989−3600

内容
 本年6月21日に、上記場所に防シカ柵を4か所設置しました。この周辺で、シカ糞を探し個数を数える調査を行います。その結果から、県の専門職の方に生息頭数の推測をしてもらいます。


■シカ食害観察報告

実 施 日 2020年10月27日(火)
実施場所 剣山〜丸石コル〜剣山スーパー林道〜山の家〜ジロウギュウ〜剣山
参加者数 7名
内容
 剣山西島から、遊歩道を経てジロウギュウ峠へ。その途中の道沿いの斜面は、かつてはササなどに覆われていたが食害で消滅し、今はイグサ(写真1)やイワヒメワラビに代わっている。ジロウギュウから丸石コルの間の北斜面は樹木被害が多く見られ、特にウラジロモミの群生がひと固まりで立ち枯れている(写真2)。丸石コルから剣山スーパー林道の樹林は、剣山山系の中でも早く食害が現れた所である。稜線近くのササ原が土壌浸食を起こし始めていた(写真3)。山の家からジロウギュウに向かう林床では、イワヒメワラビが多く繁殖していた。
食害後増えるイグサ(写真1)食害後増えるイグサ
ウラジロモミの立ち枯れ(写真2)ウラジロモミの立ち枯れ
ササが枯れた後の土壌浸食(写真3)ササが枯れた後の土壌浸食

■四国労働金庫社会貢献活動 2020年助成金目録贈呈式報告

実 施 日 2020年10月1日(木)
実施場所 四国労働金庫徳島営業本部
内容
 当会から横田弘一理事が出席して、徳島営業本部長 森本佳広 氏から助成目録をお受けしました。この式には、当会ほか3団体も助成を受けました。当会の活動の中で、大切に使わせていただきます。
森本本部長(右)と横田理事森本本部長(右)と横田理事

■三嶺中腹防シカ柵内外の植生調査報告

実 施 日 2020年10月16日(金)
実施場所 三嶺ダケモミの丘
内容
 徳島森林管理署が2009年〜2011年にかけて、ダケモミの丘に3か所の防シカ柵を設置しました。設置目的は、ウラジロモミの樹林に食害被害が出ていたため、食害を防止するためでした。2009年頃の林床はスズタケが食害で枯れ始めた頃で、まだ、草本類が少し残っていました。現在は、大径木ばかりで低木、草本類はほとんど見られません。柵設置後も、針葉樹であるため日光が弱く、柵内での植生回復の兆しが見えませんでしたが、数年前から植生の回復が確認できるようになりました。この日、当会員6名で、設置後10年目を機に柵内外の写真記録を行いました。この活動については、報告書を作成予定です。
柵の中と外の状況柵の中と外の状況
ダケモミの丘周辺の林内の景観ダケモミの丘周辺の林内の景観

■県職員研修NPO体験研修報告

実施日 2020年10月8日(木)・9日(金)
場 所 ラ・フォーレつるぎさん(8日)
    とくしま県民活動プラザ(9日)
研修内容
10月8日(木)
 (1)剣山・三嶺を巡る変遷 講師:暮石 洋 氏
 (2)剣山の希少種植物 講師:黒田修治 氏
 (3)県のシカ食害対策対策について 講師:森 一生 氏
 (4)剣山山系と四国の山の魅力について 講師:早田健治 氏
10月9日(金)
 (5)三嶺の自然保護活動について 講師:暮石 洋 氏
 (6)剣山・一の森周辺の植物と風景 講師:内田忠宏 氏
 (7)野生動物から剣山の自然を考える 講師:森 一生 氏
※台風14号の影響で両日雨のため、フィールドでの研修は止め座学を行いました。
1日目の研修の様子1日目の研修の様子

■三嶺中腹防シカ柵内外の植生調査報告

実 施 日 2020年9月29日(火)
実施場所 三嶺ヘアピン旧登山口上部
内容
 三嶺の樹林には大径木が多くあります。写真の樹木は幹回りが4m43cmのツガですが、樹木の周囲には食害により草本類、低木がありません。今年6月にこの樹林に防シカ柵を4ヵ所設置しました。この日、設置後初めて、柵の内外の植生調査を実施しました。今後、これらの柵の点検・補修を継続すことで、多くの年月を要してもこの柵を基点にかつての豊かな森を甦ること信じています。
ツガ・その周囲には草本類はないツガ・その周囲には草本類はない
活動の様子活動の様子
活動の様子活動の様子

■三嶺山域シカ食害の状況観察報告

実 施 日 2020年9月10日(木)
天  気 小雨後曇り
実施場所 三嶺北斜面の樹林
報告

写真1 標高1700m付近は、ウラジロモミに枯死木を多く目にする。ミヤマクマザサのササ原は2010年頃は食害により褐色になっていたが、今は鮮やかな緑が復活している。シカは少なくなっていると考えらる。


写真2 標高1550m付近の、カニコウモリの群生地に広範な食害が見られた。名頃登山道でもシカが好まないカニコウモリが繁殖している所があるが、餌が少なくなっている区域のシカは、カニコウモリを喰い始めたということなのだろうか。


写真3 標高1530mの樹林で、ウラジロモミの食害が多く目につく。写真は、幹回り4mほどのウラジロモミの枯死木である。


写真4 標高1350mの、モノレールの最高位置の沼池。2001年に野鳥の会の増谷氏、ネイチャーセンターの市原さん、当会の暮石の3名でこの沼を調査したが、この時、市原氏がハイイロマメシジミを発見した。その後、モノレールが造られ、見晴らしを良くするため沼周辺の樹木が伐採された。この伐採により沼に日差しが強く当たるようになり、沼は次第に乾燥し始め水たまりが小さくなっていき、晩秋の頃になるとほとんど水はなくなっていた。以降、これまで何度かこの沼を訪れたがマメシジミを見つけることができず、絶滅したと思っていた。この日、台風10号の降雨で2mほど水が溜まっていた。暮石が澄んだ水の中の白いものをつまみ上げたら、マメシジミだった。生息環境が激変する中で、マメは生き続けていたのだ。参加者から歓声が上がり喜んだ。今後は保護策の検討が必要と考える。

■コメツツジの食害調査&防シカ柵補修活動報告

実 施 日 2020年8月25日(火)
実施場所 三嶺山頂部一帯
内容
 県は、シカ食害から国の天然記念物のコメツツジ群落を守るため、山頂部の2か所で防シカ柵を設置しています。この保護柵から外れた青ザレの西側の縦走沿いで、食害により枯れてしまったコメツツジを多く確認しました。ただ、食害に遭っていない群落も多くあり今後、食害に遭う前に保護の対策を講じる必要があると考えます。青ザレの北斜面に設置済みの、柵の補修を行いました。冬季の雪や強風により、ズタズタに傷んだ柵を補修しました。
 山頂の避難小屋についても報告します。三嶺避難小屋には、建物の両側に6本づつ建物を支える支え柱(つっかい棒)が、計12本あります。現在、この柱がかなり朽ちており、当会は、2018年8月に県担当に補修の要望を行いましたが、まだ補修は行われていません。2020年6月に、1本の支え柱が折れました。やがて残りの柱も朽ち果ててしまうでしょう。避難小屋は、2000年に改修建築されました。比較的に新しいため、建物本体にすぐに影響はないと思われますが、巨費を投じて建築した小屋であることからできりだけ長く大切に使用していきたいと思います。できるだけ早く補修工事を始めていただくよう願っています。
柵外のコメツツジの食害柵外のコメツツジの食害
防シカ柵の補修活動防シカ柵の補修活動
避難小屋の支え柱避難小屋の支え柱

■剣山〜三嶺縦走路 枯死木数カウント調査報告

実 施 日 2020年8月8日(土)
実施場所 剣山〜三嶺縦走路
内容
 この縦走路沿いは、シカ食害による枯死木が多くあります。特にウラジロモミが、登山者の目を引きます。会員6名が、カウンターを首にかけ、登山道の左右10mにある枯死木の本数を数えました。
○枯死木数(剣山から三嶺まで)
 ・ウラジロモミ 2,014本
 ・ウラジロモミ以外の樹木 2,182本
 枯死後の倒木は含めず、カウントの見逃しもあったことから、実際はもっと多いと考えられます。平和丸から白髪分岐にかけて、高知県の「守る会」が樹木ガード設置されているところは食害に遭っておらず、ガードの意義は果たされていました。なお、剣山からジロウギュウまでの、ツルギミツバツツジの枯死は、500本以上ありました。


■三嶺名頃登山道杭打ち活動報告

実 施 日 2020年7月18日(土)
実施場所 三嶺名頃登山道・標高1400m〜1680mの間(国有林内)
内容
 シカ食害後、登山道沿いの下層植生がなくなり、登山道が判別しにくくなっている。また、登山者は登山道から外れ、コースを自由に取っている場合もある。県西部総合県民局は、登山者の道迷いを防ぎ登山道周辺の踏み荒らしをなくすため、登山者の道標になる杭を造り、当会が杭を設置した。杭の乱立にならないよう、道迷いが起きそうな箇所に設置した。
杭打ち杭打ち
杭

■三嶺巡視活動

実 施 日 6月27日(土) 小雨
実施場所 名頃登山口〜ヘアピン旧登山口〜ダケモミの丘〜山頂
内容
(1) 6月21日に設置した柵内を写真記録
 植生が回復する前の4か所の柵内を撮影記録する。
(2) 山頂植生保護箇所の観察
 昨年、植生回復用ネットの補修を予定していたが、スケジュール的に日程が取れなく実施できなかった。ただ、植生の後退は見られず。登山者が植生を踏まないことが最も大切である。
(3) 山頂部防シカ柵点検
 風雪の強い場所だけに、柵に痛みが激しい。この日簡易的に補修したが、大々な補修すべき時期ななっている。
(4) 登山道簡易補修
 標高1780m地点の登山道。3年前に徳島森林管理署と連携して補修したが、丸太が外れた箇所があり、簡易的に補修をした。

※令和2年度県委託公園監視活動(三嶺山域等)について
 今年度も、県の委託により7月から公園監視活動を始める。令和3年3月までの間に、三嶺山域において15回の活動を行うことにしている。

山頂の植生状況山頂の植生状況
山頂部の防シカ柵山頂部の防シカ柵
登山道の簡易補修登山道の簡易補修

■三嶺中腹での防シカ柵設置活動報告

実 施 日 2020年6月16日(火)、21日(日)
実施場所 三好市東祖谷菅生 三嶺中腹国有林(標高1350m)
参加者
 16日 11名(当会7名、森林管理署4名)
 21日 30名(当会14名、森林管理署7名、県1名、とくしま県民活動プラザ3名、ポール製作所3名、香川から2名)

内容
 当会と、徳島森林管理署の連携活動として実施。周囲約45mの柵を、4か所設置する。設置場所は急斜面を避け、平たん部とした。当該地一帯の林床は、シカの食害により植生が消滅している。そして、急傾斜地では土砂の崩落が起きており、激しく森林の荒廃が進んでいる。今後、植生を回復させないと荒廃を止めることができない、との思いで計画した。当該地は、尾根筋と違って陽が差しにくい樹林の中なので、植生の回復は遅れるだろうが、定期的に観察を続けたい。
集合写真集合写真
現場へ向かう現場へ向かう
柵を設置柵を設置

■令和2年度 徳島県表彰式受賞報告

日時 6月2日(火)午後3時40分
式場 徳島県庁 11階講堂
内容
 令和2年度徳島県表彰式において当会は県知事より表彰を受けました。この日、58個人と5団体が受賞し、当会は団体受賞で三嶺登山道補修やシカ食害対策が評価されました。
 

■三嶺中腹 防シカ柵設置ボランティア 参加者募集
〜シカ食害により進む森林の荒廃を止め、植生を甦させよう!〜

実 施 日 2020年6月21日(日) 少雨決行
集合場所 三好市東祖谷名頃 三嶺登山口
集合時間 三嶺登山口に午前9時30分
終了時間 午後3時30分頃 (作業終了し三嶺登山口に着く時刻)

内容
(1) 徳島森林管理署に提供を受けた柵資材を、ヘアピン旧登山口(標高1100m)から現場(標高1300m)まで持ち上げる
(2) 林床の平たん部に、防シカ柵を4か所設置する

募集人数 20人
持 ち 物 ザック、弁当、飲み物、雨具、軍手、帽子、カッターかハサミ
参 加 費 無料

申込み・お問い合わせ 携帯090-3989-3600(暮石)
主催 NPO法人 三嶺の自然を守る会
協力 徳島森林管理署

シカ食害による枯死木、土壌浸食が進む林床シカ食害による枯死木、土壌浸食が進む林床

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山頂小屋 山頂の池 三嶺遠景