【感 想】
6年ぶりに雪の氷ノ山(ヒョウノセン)に挑戦しようと思い立った。前回は東尾根ルート7分目の杉千本で迷子になって、勇気無き撤退。今回は前日泊でいこうと播但道を30日の夜走る。
和田山が近づくと除雪車が行き交う。車は前後にほとんど見えぬ。昔スキーに行っていた頃は、屋根上のキャリヤーに板を載せた車が多かったが、今はスキー人口が減ったのか。
おかげでチェインをつけずに和田山ICをおりて、やや北の但馬楽座道の駅で軒先を借りてテント。翌朝7時発で氷ノ山スキー場に向かう。駐車場はよくすいている。8時半にスキー場への登高リフトに乗る。スキー場がらがら。
スキー場下を過ぎてキャンプ場から東尾根にとりつく(9:20)。前日に降った新雪で80cm位の積雪。幸い?トレースがあって杉林の中高度を稼ぐ。東尾根避難小屋に着く(10:30)。2階建ての立派な小屋。尾根に沿ってトレースをゆく。神戸大学のヒュッテの手前でありがたき先行者に追いつく。
3組7,8人(12:00)。小屋でしばらく休憩して、今度は我々がラッセル泥棒される。ところがその後の雪の深さがすごい。足が全部埋まるかというくらい深い。新雪で気温が低いので、やわらかいがかきわけるのはやはり大変。
あとから泥棒3人がゆっくりときやがる。先程の借りをかえしてもらおうかとほくそえんでいるのでは、と勘ぐりたくなる程ショッパイ。
ルートは新雪の下1.5mに埋まっているので、高い木にあるテープやひもがたより。雪もふってくるし、ルートを慎重にみきわめながら、胸まで沈む積雪の中をクロールで泳ぐように進む。
時間はなくなる。古生沼をすぎたところで、吹雪の中かすかに三角屋根が見えた。幻想かともみえたが確かにそうだ。しかし、時刻は2:30pm。日帰りではLIMITを過ぎとる。あと直線で100m、標高差30mで断念、残念。
勇気ある撤退は苦しい。登りは5時間かかったけど、下るとなるとえらく速い。2時間で下って、やはりがらがらのスキー場を通って下山。
2回目も登頂できずであったが、いやという程ラッセルしたせいか満足感は充分。次また挑戦するぞと意欲が沸いた。そのあと丹後の温泉で喰った蟹は格別にうまかった。(天野)