笠ガ岳・焼岳(岐阜県)

2001.8.8〜10


 かねてより念願だった笠ガ岳に、やっとチャレンジする事が出来ました。チャレンジと言うには少しオーバーかもしれませんが、新穂高温泉より笠新道を経て頂上からクリヤ谷を下り、槍見温泉から新穂高温泉に戻る、標高差1927m、コースタイムで約14時間の周遊コースを1日で走破するため、ちょっと気合いの入る山行であることは確かです。

 前日に登山口の新穂高温泉まで一人で車を走らせ、村営の無料駐車場で目覚まし時計を5時にセットして車の中で仮眠。翌朝は車のフロントガラスをたたく雨音で目が覚める。非常に憂鬱な気分であるが、そのうち止むであろうと楽観的に考え、カッパを着て登山口をスタート。45分ほど林道を歩き、笠新道の分岐点に到着。ここからが今回の山行の最大のハイライトである笠新道(標高差約1400mの直登)の登りである。

 雨は一向に止む気配もないが、気にせずにひたすらどんどん登り続ける。2時間ほどで杓子平(標高2400m)に到着し、予定通りのハイペースに満足する。しかし、ここから稜線分岐までの標高差300mが非常にしんどくてかなりのグロッキー状態。ゆっくり休みたいが、立ち止まれば雨と風で震えるほど寒く、まさに進むも地獄、止まるも地獄の状態。久しぶりに登山がこんなにつらいものかと、しみじみ感じた時でした。

 それでも最後の力を振り絞って、やっと稜線に到着。ここからは本来ならば槍、穂高等を眺めながらの快適な稜線歩きのはずであるが、風雨はますます強まり、視界は30mぐらい。足早に稜線を歩き、頂上手前の笠ガ岳山荘にはほぼ予定通り10時半に到着(登山口より5時間)。

 笠ガ岳山荘は私が今まで見た山小屋の中ではもっともきれいな山小屋で、本来ならゆっくり宿泊するのに最高の山小屋であると思うが、山菜そばを注文し、冷えた体を温め、しばしの休憩の後頂上に向かう。山小屋も頂上も登山者は私だけで、自分の記憶では日本百名山の頂上で他に登山者がいなかったのは、おそらくこの山が初めてのような気がする。

 10分ほど待ったが天気は一向に回復する気配もないため、諦めて下りにかかる。ここから槍見温泉までの下りは上り以上の急勾配で、しかも雨のせいで非常に滑りやすくやっかいな下りではあったが、コースタイムの半分の3時間で槍見温泉に到着。ここから車道を歩いて、新穂高温泉まで車を取りに戻った。登りの最後はかなりしんどかったが、降りてくれば時間的にも体力的にもまだかなり余裕があるかなと感じた。

 翌日はもう一つの百名山である焼岳に登ったが、相変わらず天気がぐずつき気味で、曇り時々雨。岐阜県側(中尾温泉)からの登山者はほとんどなく、登りで会ったのはわずか一人。途中で長野県側からの登山道(登山口は上高地及び中ノ湯)と合流するが、長野県側からは数十人の登山者がいた。

 焼岳の登りは最後の30分ぐらいがかなりのガレ場で、落石の危険もあるため慎重な歩行が必要となる。また頂上に近づくにつれて、独特の硫黄のにおいが立ちこめて、この山が火山であることを改めて認識させられた。

 2時間半ほどで頂上(北峰)に着いたが、昨日に引き続いてまったくの視界なし。本来ならば北アルプスや上高地の眺めが堪能出来るはずなのにと非常に無念の思いであったが、今回は運がなかったと諦めて下山する。

 10時半頃に登山口に戻り、露天風呂で有名な深山荘に出向き料金300円を払って入浴。新穂高温泉は外来入浴も安く(無料の露天風呂もある)、我々登山者にとっては本当に親切な温泉地であり、北アルプスの絶景と相まって何回きても飽きることのない素晴らしい温泉地である事を再認識させられた。

 昼食後は平湯温泉まで戻り、ひらゆの森(日帰り温泉施設で露天風呂が男女併せて13ある)で2時間ほど温泉を堪能した後帰路に着く。帰りはお盆の帰省のためか名神高速で約30kmの大渋滞にかかり、徳島到着は夜中の3時であった。(次は四阿山、浅間山だ。) 折目


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