前日、県庁駐車場に集合した頃に運悪く雨になり、中止(?)の意見もでたが、リーダーの一声で決行となった。
11時頃に、予定通り美那川キャンプ場に到着する。キャンプ場は閉鎖されているが、街灯が明るくついており、早速設営する。車を回送する途中、雨の暗闇の寂しい林道で久米さんの車がパンクするアクシデントもあったが、12時すぎより酒盛りとなった。
新潟の名酒「雪中梅」を味わったが、普段あまり日本酒を飲まない女性の方も、「白ワインのような酒の味」とコップで飲み干す豪快な飲みっぷり。おかげでぐっすり寝たものの、翌日はアルコールが残り当分大変だった。
翌日は見事な快晴で5時起床し、7時より登山開始。甚吉森までは登山道が整備されており2時間足らずで登頂しまずは快調な出足であった。すばらしい山容をバックに写真を撮り、余裕のある行動にリーダーに感謝しつつ本日のメインルートの湯桶丸への縦走を開始した。
しかし、前途を暗示するかのように取り合いの道がなく、スズタケの生い茂る尾根道を下る。行けども行けどもブッシュばかりで、中間点からは多分登山道があるだろうとの尾野リーダーの発言に期待と希望を抱きながら進む。
2時間も道なき道を薮こぎした末に馬路村からの林道が見え、笹原の美しい尾根も見え、やっとまともな登山道らしく一同ほっとする。
巨大な倒木をバックに写真を撮った頃はまだ余裕があり、前進する。しかし、近づいて見ると相変わらず2m近いスズタケのブッシュで1時間に1km位しか進めず、ブッシュこぎの得意な尾野さんでさえ「吐き気がする」ほど疲れ、先頭を小林さんに交代し、最後列になるハプニングもあった。一方、小林さんはサブリーダーとして「ファイト一発」の気合の入ったかけ声でみんなを元気づけ進んで行く。
午後2時頃になっても夕方までに帰れる目処も立たず、当然昼食を取る時間もなく、まともに帰れないのではと不安になった頃、直径8mもの大杉が出現する。あまりの大きさに一同疲れも忘れ、尾野さんは早速「これは記事になる」と取材をする。
前方北側に「湯桶丸」がすぐ近くに見え、目的地は近いと喜んだのも束の間、相変わらずブッシュの連続で、あきらめの境地でダラダラと疲れた足を引き摺って、やけくそに歩く。
やっと道らしい登山道に出て「湯桶丸」への分岐に到着した頃には暗闇が迫ってきており、山頂への登頂はあきらめて、ただちに下山する。真っ暗闇の中、急な下りを降りながら「趣味の登山」はもっとゆとりがあって楽しいものではないかと考えさせられた一日であった。
参考に車の駐車所に到着したのは午後7時で、12時間も歩いてたった10分で登頂できる「湯桶丸」に登れず、思い出の多い記念すべき山行となった。 西條