コースタイム | |
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登山口発 | 8:55 |
1078m | 9:43 |
槍ノ丸大権現 | 10:35 |
1186m | 11:10 |
山頂、昼食 | 13:10 |
発 | 13:50 |
登山口着 | 15:00 |
徳島に住む前から、大蛇騒動で全国にその名を轟かせていた、剪宇峠の名は知っていた。しかし、今まで意外に訪れる機会に恵まれなかった。今回の山行は、この剪宇峠から八面山への縦走である。
穴吹町古宮の北又谷川沿いの林道を遡る。終点近くの東屋の横に駐車し、目星を着けた尾根の作業道に分け入る。いつもの事ながら、リーダーは登り口を見つけるのがうまい。ほどなく峠に至る。小さなほこらを抱くように、どっしりと大杉が立っている。威厳ある峠であるが、周りは杉の木立のみで、大蛇の潜んでいそうな気配はない。
南に向かって急登の尾根を登る。気持ち良い程に高度を稼ぎ、1078mに至る。ピークを下るとヒヤヒヤドッキリの細尾根で、どうにかそこをやり過したと思う間もなく、断崖が尾根に立ちはだかっていた。乗り越えるのは、到底無理だ。西下側を大きくトラバースし、その後再び尾根に乗る。岩稜恐怖症の私は、「岩よ出てこないでおくれ」と祈りながら進む。その後は大した危険個所もなく、槍ノ丸大権現を奉るほこらに至る。麓から見上げると、槍のごとく険しい山容なのだろう。
1186mのピークを過ぎ、一気に下ると、突然伐採地に出た。去年他人の山林を勝手に盗伐した所だそうな。さしずめ盗っ人原とでも呼ぼうか。
西側に大きく展望が開け、津志岳、黒笠山、矢筈山、その向こうには三嶺まで望める。リーダーの山解説を聞きながら、次なる縦走に想いを馳せる。
この辺りからは比較的歩き易く、八面山までの距離を一気に縮めてゆく。アカマツ混じりの明るい林が続く。リンドウが木漏れ日の林の中で、そこかしこに咲いている。秋の空のエッセンスを集めたような青色だ。八面山頂手前で、一宇の剪宇集落からの登山道と合流する。
13:10八面山頂着。以前訪れた時より潅木が茂り、周囲の山々が見えにくくなっている。赤帽子が眼前に大きく見える。
昼食後、古宮の内田谷への下山コースを行く。八面神社から綱付山への縦走路へ進み、八面山の東尾根を縦走路が横切る所から、内田谷へ下る。杉林の中のしっかりした作業道だ。一時間程で、予め車を回して置いた林道へ到着した。全行程五時間。途中の大岩では、ドキリとさせられたが、他はたいした薮もなく、快適な尾根歩きであった。
八面山は今回を含めて三度登ったが、それぞれ登路を変えたせいか、どの山行も趣が違い新鮮であった。当たり前の事だが、山は見る角度によって形が違うように、登るコースによって印象も全く違う。これからもガイド本に載っていない、渋いコースで山に登りたい。ご協力お願いします。 小林