ほとんどの方は、産婦人科で生まれたばかりの赤ちゃんがガラス越しに並べられ、見せ物になっているのを見たことがあると思います。こういう光景が見られるようになってから、もう40年以上たつでしょうか。
出産には危険が伴います。そのため、より安全を求めて病院で出産することは否定しません。しかし現在の出産システムを見ていると、恐怖を感じます。
医者や看護婦にとって赤ん坊やその泣き声は、日常的に接する慣れたものです。泣叫んでいる赤ちゃんを見ても、時間がくるまでは世話をしません。赤ちゃんが入れられているベッドはきれいですが、檻に入れられた動物と同じです。泣き叫んでも餌をくれないどころか、抱いてもくれないのです。これが赤ちゃんの成長に良いわけはありません。
泣き叫んでも平気で作業をしている人を、ガラス越しに見ている赤ちゃんを見に来たお客さん。泣いているから元気が良いと、納得している祖父母。母と子が一緒にいないのを異常な光景だと誰も感じないのでしょうか。
最近では母子共に同じ部屋に居たり、自由に授乳できたりするところもあるという話は聞きます。立会い出産や水中出産もあるでしょう。しかし、大半の病院では授乳は3時間毎と決められ、母子は分離され、母と子は退院する時まで一緒に過ごすことはできません。
生まれて1日以内に飲ませる初乳は、その後に飲ませる母乳と違い、赤ちゃんには特別の意味があることが分かって来たのも最近です。しかし、そういうことが分かって来ても、システムはなかなか変わりません。
医者が帝王切開をしたがるのも問題です。素人には本当に切開が必要なのかどうかわかりません。立場が弱いので、切ると言われれば反対することは不可能でしょう。
しかし、最初から切開することにしておいて、日時を指定しておく。儲け主義の医者にとってはこんなに都合の良いことはありません。診察時間中は稼ぎ時ですから、こんな時に生まれるのは迷惑です。ましてや難産で何時間も付きっきりになるのは大損害です。
早朝や夜に指定しておけばすぐに済んで、治療代も多く請求できます。そして、失敗しない限り文句も出ず、却って感謝されたりします。そして、医者がこういう考えかどうかは外部には一切わかりません。
医者と患者は信頼関係が大切と言われますが、出産にかかりつけの産婦人科ができるものでもなく、うわさや母親の待遇で医者を選ぶしかないのが現状です。