家族制度


「伝統」という言葉が持つ時間の幅は一定ではない。「家族の伝統」といえは、数年から始まる場合もある。「家の伝統」となれば、もう少々時間が必要か。

夫婦同姓は明治以来といわれる。ただ、それも後半、1898年の民法成立から。別姓になれば伝統的家族観が崩れる、といったときの「伝統」は生まれて120年足らず。

三くだり半、縁切り寺の江戸時代、農民ら圧倒的多数の人は名字の使用が許されていなかった。明治に入り義務化された当初は、武家の風習に倣って別姓だった。伝統も時代とともに変化する。光源氏や北条政子の頃にさかのぼれば家族観自体、入きく異なる。

こっそり打ち明けると、選択的別姓制度が導入されても、うちは同姓である。「選択的」とはそういうことで、別姓を強要されるわけでない。導入して20年ほどのドイツでも、8割の女性が今も夫の娃を選択している。

夫婦の姓が違えは家族がばらぱらになるという批判がある。当田老にとっては余計なお院話だろう。姓が家族の絆を保障してくれるのなら離婚もないはず。法務省によると、法律で同姓を定めた国は日本以外に見当たらない。

別娃が認められず不利益を被っている人が現にいる。最高裁の合憲判断をよいことに、国会が議論を放置すれば、いずれは立法府の怠慢が指弾される事態となろう。

<徳島新聞2015年12月18日鳴潮より>

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