ミティゲーション


 近年、建設事業において、動植物の生息環境を適切に保全復元・創出していくことが必要となっており、建設事業による生態系への影響を各種の手法により緩和するミティゲーションという手法が大きな関心を集めています。

 ミティゲーションとは、建設事業等の人為的行為に伴い自然環境への影響が予想される場合に以下の措置を講ずることにより、自然環境への影響を緩和することをいいます。

回 避
 保全すべき自然環境のある箇所を、路線の変更、トンネル化、橋梁化等によりさける手法
最小化
 保全すべき自然環境のある箇所への影響を、盛土構造から橋梁構造に変更する等により、最小にとどめる手法
代 替
 保全すべき自然環境が止むを得ず消失する場合に、元々の自然環境と同等のものを他の場所に設ける手法
修復・再生
 工事によってダメージを受けた自然環境を、植栽や表土復元等により修復・再生する手法

 この手法は、生態系への影響が予想される全ての人的行為に対して当てはまります。そして、元通りにするだけではなく、元あった以上に動植物の生息環境を創出しなければ、都市のようにすでに生息環境が喪失された場所への補償にはなりません。

 具体的には、例えば田畑を潰して住宅を建てる時、潜在自然植生を利用した大きな木を植えると良いでしょう。面積的に減らした環境を、立体的に補償するのです。多少雨樋の寿命は短くなるでしょうが、火事や地震などの災害時の恩恵まで考慮すると、そのメリットは計り知れません。

工事のため削り取った斜面に、宮脇方式の潜在自然植生を行った箇所(小松島市田浦町)
法面緑化の写真

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