人生を考える時に読んでほしい本


 

あるきだした小さな木

 テルマ・ボルクマン・ドラべス作 シルビー・セリグ絵 花輪莞爾訳 偕成社
あるきだした小さな木

 居心地のいい父母の元を離れ、あるきだした小さな木は、最後にどんな場所を選ぶでしょうか。
 みんなとりあえず、今のままでも生きていくことはできます。しかし、本当に自分がやりたいことは今の場所でできるのでしょうか。このちいさな木が選んだような生き方をしたいと、みんな思っているのではないでしょうか。

ぼくを捜しに

 シルヴァスタイン作 倉橋由実子訳 講談社
ぼくを捜しに

 「何かが足りない。それでぼくは楽しくない。」
 若い頃には一度は完全な人になりたいと思うものです。しかし、完全な人は生きていけないことに気付かずに、今度は自分の子どもを完全な人にしようとしたりします。ある方向に特殊進化した生物は環境の変化に弱く、絶滅が早まるということもわかってきました。欠けた部分が必要だということを、心から理解しましょう。
 訳者のあとがきが的外れで余分ですが、中身は本物です。

ビッグ・オーとの出会い

 シルヴァスタイン作 倉橋由実子訳 講談社
ビッグ・オーとの出会い

 「かけらはひとりじゃころがれないんだ。」「だって角が尖っているよ。」
 かけらはまず、自分が大きくなることに気付きます。そして、だんだん角がとれて、転がれるようになります。そうなるまでの努力は決して無駄ではありません。かけらはいつかビッグ・オーになり、他の転がれないかけらに教えてあげることができるようになるでしょう。みんな自分で転がれるんだって。
 これも訳者のあとがきは的外れで余分ですが、このかけらのようにビッグ・オーと出会わず、座ったままの人はたくさんいますね。

木を植えた男

 ジャン・ジオノ作 フレデリック・バック絵 寺岡襄訳 あすなろ書房
木を植えた男

 ヨーロッパ大陸ではイギリスも含めて、森林は放牧により、すべて一度は切り払われているそうです。そのせいか環境問題には敏感で、自然保護やガーデニングなどが盛んです。
 日本でも戦後の大造林運動のため自然植生はほとんどなくなり、わずかに残った部分が世界遺産などに指定されています。
 そして今、今度は熱帯雨林が切られています。
 この本を読んで、木の大切さを知ると同時に、こういう生き方もあるということを知ってください。


 

100万回生きたねこ

 佐野洋子作・絵 講談社
100万回生きたねこ

 永遠の命はほしいですか。死ぬのは恐ろしいですか。自分以外の者を自分より好きになったことがあるなら、そんなことは思わない。きっと、忘れているだけでしょう。この本を読んで思い出しましょう。

ずっとずっとだいすきだよ

 ハンス・ウィルヘルム作・絵 久山太市訳 評論社
ずっとずっとだいすきだよ

 みんなそう思っているに違いない。だけど、ことばにしないとわからない。以心伝心なんて事は錯覚ですよ。


 

風が吹くとき

 レイモンド・ブリッグズ作・絵 小林忠夫訳 篠崎書林
風が吹くとき

 全面核戦争開始までの時計の針は少し戻りましたが、地域戦略核の使用の可能性は高まっています。そしてもっと恐ろしいのは、この絵本のように、政府の事を信じ切ることです。
 政府は個人を守ってはくれません。国の存続を優先します。日の丸と君が代の元に集結を強制される日が来ないとは限りません。まだ、安心できる世の中ではないのです。自己責任とは何か、この本を読んで、考えてみましょう。

風の谷のナウシカ1〜7

 宮崎駿作・絵 徳間書店
風の谷のナウシカ

 この物語の結末は、人類の未来を予想したものとしては、幸いな方かもしれません。生き残る人がいるのですから。100年後は、自分はもう死んでいるから関係ありませんか。千年後はどうでしょう。
 そんな先はわからない?新しい技術が開発され進歩する?
 新しい技術が開発されなくても持続可能なように、千年後も生存することができるように、今の生活を改め、この物語のような社会になる前にどうすればよいか考えましょう。