山とおすすめの秘湯の温泉宿シリーズ その1

那須岳(茶臼岳)と那須湯本温泉「旅館山快」


 那須岳は観光地化されシーズンになるとロープウェイの混雑は大変なものである。春の花の季節もいいが、秋の紅葉が素晴らしい。この表題からすれば那須岳から歩いて一時間程度にある三斗小屋温泉「煙草屋旅館」を紹介すべきなのだが残念ながらまだ行っていないので今回は麓にある「旅館山快」を紹介する。

 那須湯本温泉は高原地帯にあり、周辺は首都圏に近い関係から一大リゾートとして発展してきた。大きなホテル・旅館や別荘が立ち並ぶ中で長期滞在型の湯治宿も沢山ある。

 那須湯本温泉の中心地には温泉神社があり、その近くに有名な立ち寄りの湯「鹿の湯」がある。この湯は宿泊の達にも人気があっていつもにぎわっている。ほかにも小さい共同浴場もあるがこちらは地元の人と湯治滞在の人がよく利用している。そんな古くからの旅館街のなかに「旅館山快」はある。

 元は料理店を営んでいた老舗の宿で今は若い夫婦が中心に家族的な雰囲気で経営をしている。建物は瓦屋根葺の三階建で相当古く、設備はあまり期待できないがその分料金も良心的で一人泊も一万円で受けてくれる。聞くと一人で泊まる人が以前から多く料金格差は設定していないそうだ。

 那須高原温泉郷の源泉は7つあって、それぞれ異なった泉質を持つがここは「酸性明礬泉」で高温だがやや白濁して酸性が強い。なめらかな湯で湯上がり後は肌がつるつるしてくる。「寝湯」もあって窓を開けて青竹で作られた枕をして寝そべるといつまでも入れる。いつも泊まっている間に最低5回は入浴するのだがいつ入っても誰もいなく常に貸切状態であった。他に女性用には美肌作用を高める「美肌の湯」も用意されていた。(こちらは入っていない。)

 風呂の後の楽しみは食事であるが元は料理屋であっただけに一品ごとに心のこもった出来で十分満足できる。一人でも部屋食で、朝食に炊き立ての釜飯まで部屋に運んでくれたのは二日酔いの一人旅には嬉しい。リーズナブルな料金で温泉・食事共に満足できればこれ以上望むべきものはない。

 だから多くの固定客をつかんでおり、また地元客からの人気も高いそうである。那須岳に登った時は是非一度泊まってみる価値は十分ある宿だ。

 他に行っていないが今も湯治客中心に結構固定客を持つ宿として那須野ヶ原にある一軒宿、柳沢温泉「清水屋旅館」(1泊2食付き7000円より)がある。あと「下野の薬湯」といわれている「板室温泉」も近くにあるので「旅館山快」が泊まれない場合はこちらを利用する方法もおすすめする。もし泊まった会員がいましたら感想お願いします。  (西條)


[戻る]