感染すると死の危険もある寄生虫、エキノコックスが本州にも侵入

1999.8


 北海道の沢の水は飲んではいけないということは、山へ登る人なら誰しもご存知だろう。これはエキノコックスという寄生虫が原因で、この寄生虫はキツネなどイヌ科の動物の体の中で成虫になり、ふんに混じって卵が外に出る。この卵で汚染された水をネズミなどが飲み、ネズミの体内で幼虫が増え、そのネズミを食べたキツネの体の中で成虫になるという循環ができ上がっている。

 卵で汚染された水や野菜から、人間やブタに感染するが、人間やブタの体内では幼虫のままで卵は生まないから、ブタから人、人から人へは感染しない。

 しかし、人間の体内では幼虫は主に肝臓に寄生して、五年から十数年後に肝臓癌みたいな症状が出る。発見が遅いと死ぬ危険性が高い。

 90年代に北海道全域に汚染が広がったが、最近本州にも入って来ている。

 そのうち日本中の沢の水が飲めなくなるのだろうか。 内藤

「阿波あすなろ山の会」
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