三瓶山   2015.10.31 国土地理院の地図を表示   [戻る]


【コースタイム】

5:00佐古──10:15西の原登山口──12:00男三瓶山──12:59女三瓶山──13:34室ノ内池──14:31孫三瓶山──15:06子三瓶山──16:05西の原登山口──国民宿舎さんべ荘──22:30佐古


【感 想】

 島根県の名峰と言われる三瓶山へ行ってきた。紅葉のシーズンは例年より少し早めで、三瓶山でも前日くらいから見頃を迎えていた。登りはじめの気温は10℃を下回っていたが、天気に恵まれ山歩きのコンディションとしては、最適だったと思う。

 火山活動によってできた三瓶山は、室ノ内という火口だった部分の窪地の周囲を、男三瓶山、女三瓶山、孫三瓶山、子三瓶山といった1000m前後の山々が取り囲んでいる。

 主な登山口は5つあり、縦走ルートもよく整備されている。私たちは見晴らしが一番よいとされる西の原ルートから男三瓶山に登り、時計回りに縦走した。

 距離はおそらく12km程度、4回の登り下りを繰り返す。体力レベルは中級程度か。急登で息が切れるカ所もあるが、こまめに休憩を取れば問題ない。

 西の原登山口は、一面ススキの原になっており、開放的でのどかな雰囲気である。なだらかな坂から樹林帯のつづら折りの道をしばらく登ると視界が大きく開けてくる。周囲に高い山がなく、展望は良好。出雲市街や日本海まで見渡せる。

 高度を上げるに従って、斜面の木々の色も鮮やかさを増してきた。男三瓶山頂付近はススキが群生し、太陽に照らされながら、風にゆれていた。

 男三瓶山からは、室ノ内の紅葉を眺めながら快適な稜線歩きができる。個人的には、男三瓶山から女三瓶山の途中から見た室ノ内の景色が一番きれいで印象に残った。

 窪地の底の部分が、カーペットを敷きつめたように色とりどりに染まっている。一面に色づいた木々の中で、室ノ内池の緑の水面がいいアクセントになっている。私たちはたくさんの写真を撮ったが、肉眼で見た通りに写せないのを皆くやしがった。

 女三瓶山に登った後は、稜線を外れて室ノ内池まで下りてみる。近くで見ると、透明度の高いきれいな水がたまっている。かつて放流されたという鯉が何匹か見える。ここのベンチで昼食。

 ここから再び稜線にもどる途中に、鳥地獄という地名があった。たまたますれ違った人によると、数十年前まではその辺りから白い煙が噴き出していたらしい。火山性のガスで鳥が死んだというのが地名の由来のようだ。

 縦走ルートに戻る。孫三瓶山、子三瓶山の2つのピークを越えていく。そろそろ疲労を感じるようになってきたが、室ノ内の眺めに励まされながら一歩ずつ進んでいく。

 孫三瓶山から子三瓶山へ歩く途中で室ノ内池を見ると、きれいなハートの形をしている。立ち止まっては振り返り、写真を撮った。

 急登の道を休み休み登って、やっと子三瓶山に到着。予定通り4山縦走できた。達成感に浸る。見納めにじっくりと周囲の景色を眺める。全ての山が環状に並んでいるので、これまで歩いてきたルートを一望でき、一日の行程を振り返ることができる。

 西の原まで下りてくると、原っぱでたくさんの家族連れがボール遊び等をして楽しんでいた。駐車場の車を見ても、島根ナンバーが多かった。三瓶山は地元の人に親しまれている山のようだ。

 私も島根に住んでいたら、何度でも訪れたいと思うだろう。まだ行ったことがない方には、是非とも登ってほしい山です。(森本)

 


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