剣  岳

2006.8.14〜17


【コースタイム】
8/14
 21:20小松島ルピア  22:10藍住マルナカ

8/15
8/15立山7:50──8:45室堂9:00過ぎ−地獄谷9:20──雷鳥沢9:50──大日分岐10:00経──11:20剣御前小屋11:40──12:05剣沢小屋

8/16
剣沢小屋4:10──5:12一服剣──5:50前剣6:10──平蔵小屋7:10経──7:50剣岳8:40──10:50一服剣──12:00剣沢小屋ビール乾杯12:30──13:10剣御前生ビール乾杯──16:30室堂

【感 想】
 台風10号のため、1日早めて14日の晩に出ることになった。15・16は晴れ、17は雨になるだろうという予報だった。参加者も当初6名だったが3名となってしまった。一日目は雄山周りもやめて、剣沢小屋までの3時間あまりの行程となり、気分は多少楽だった。

 ケーブルの始発は6時だが、仮眠も途中でとって7時50分に乗った。昨日まで混んでいたようだが、今日も長い列ができている。大日岳へ行くので片道の切符を買った。一緒に並んだ77歳のおばあちゃんが、剣へ行くのですかと尋ねるのでハイと返事をすると、私も4〜5年前に登ったとおっしゃる。ヒェ〜ッ!!と驚きながらも、聞くと百名山も50座は制覇しているとのこと。

 室堂にバスで登っていくと、剣の雄姿が私達を迎えてくれた。天野会長は俄然意欲を奮い立たせ、別山乗越までハイピッチ。私との差をいつも5〜6m離して登る。

 途中、地獄谷へ下りて、硫黄の黄色い異様なケルンの前で写真を撮ってもらう。吉本さんのデジカメで撮った写真は、なんと剣沢までの間全部おじゃんだった。

 乗越から剣の堂々たる姿を見ながら、コースタイムより早く剣沢小屋に着いた。天野さんは、これからでも剣に登りたいという姿勢。しかし、山小屋のお兄さんの一喝であきらめた。

 剣沢小屋は、登山者の安全のため完全予約制。2日前に予約をしておいて良かった。剣山荘が雪のためつぶれ、営業が今年はできないので、なおさら予約者を優先としていた。話によると、元気のいい人は、剣御前小屋まで引き返されたそうだ。

 明日も晴れだろうという予報を信じて、小屋の前で何時間もその日は剣を眺めて過ごした。テント場はカラフルだ。昨日より半分になったそうだ。ここまでくると年齢層は幅広いが、やっぱり中高年が多い。家族連れや若い人、50年近く山に通っている人。ザイルを持ったおじさん。驚くのは60代くらいのおばさん達だ。念願がかなったと嬉しそうに下りてきた。10歳くらいの男の子もお父さんと嬉々とした顔で下ってくる。

 夕食は5時。揚げたてのエビフライを、テーブルについた私達の目の前でお皿に移してくれる。なめこの白みそのおみそ汁が、とってもおいしかった。

 夕食後も剣を眺めた。雲一つない。明日もひょっとしたらこの天気もつのかも、と期待をもった。剣は西から夕日があたり、一瞬の間夕映え。

 暗くなりかけてあわてて寝る準備をした。7人部屋。私達の他にご夫婦が2組。夜は4人の男性の、鼾の大合唱だった。夜中外へ出て、空いっぱいに輝いている星を眺めた。

 8月16日、3時半起き。4時出発の予定が、10分ほど遅れた。剣御前小屋から下って来る人のヘッドランプが、登山道をともす。早い人はだいぶ向こうまで行っている。一服剣から岩があり、前剣の岩も気を付けるようにと、昨日小屋のお兄さんから聞いていた。

 4時半過ぎ、空が白み初め、東の唐松や白馬の方はオレンジ色になってきた。前剣経由平蔵小屋跡まで、ゆっくり登る。平蔵小屋跡までは、27年前登ってきた。雷鳥沢から登り岩を登るのに、手を使って登って疲れ果ててしまった。他のメンバーは無事登頂。私一人ここで待機だった。ここからカニの縦這。これは・・・と思うところもあり、やはり岩登り初級程度は必要と思う。頂上には20名ほどの登山者が。若い人もいる!嬉しい!

 雄大なスケール。360度のパノラマ。富士山も槍も穂高も南アルプスも。薬師も黒部五郎も笠が岳も白馬、唐松、鹿島槍、ぐるーっと山々。剣も八峰のギザギザ、早月尾根の小屋も見える。快晴。2999mだのにとても暑い。平地と18度は違うはず。下はさぞや暑いのだろう。

 1時間も頂上で満喫し、さあ、下り。慎重に慎重にと下った。カニの横ばい。ところどころハシゴがでてきた。ハシゴまでちょっと遠く、足をのばすのに慎重に行かなければ。平蔵小屋跡にトイレの小屋があるが、ドアが壊れている。他にトイレをする所など無い。前剣、一服剣まで急な道が続く。昨日、剣沢小屋で剣を眺めた時、本当にどこを登るのだろうと不思議に思ったけれど、近くまで来ると急な壁に見えたところも、登れるほどの斜面なのだと一安心。

 やはり登りより下り、慎重に下ろう。天野さんを先行に下る。天野さんは鎖や棒杭などを使わないこだわりがあり、頑固だけど頼もしい。

 一服剣でほんとうに一服。尾根は暑い。陰が無く、水がもう残り少ない。剣山荘の建て替えの資材を運ぶヘリコプターが、幾度も往復をしていた。大日岳へはこの分では無理だろうと、残念だがあきらめるより他無かった。

 剣山荘から剣沢小屋までの間、雪渓を横切り、ハクサンフウロ、トリカブト、リンドウ、ヨツバシオガマ、チングルマなどたくさんのお花畑。雪渓の下で水を補給し、のどを潤し、剣沢小屋に着いたのが正午。予想は6時間くらいだったのに、8時間もかかってしまった。前日登っていたら夜になっていたなあと思う。危険危険。

 剣沢小屋でまずは乾杯!!剣がずっと私達を見下ろしている。昨日からずーっと。ビールのあてが無くなっても、剣の山をあてにビールが進む。大日岳へ行かないとなると、もっと進む。小屋に置いておいた不要な荷物をザックに入れ、40分の登り。剣御前小屋まで。テント場はかなり減った。撤収して帰ったのだろう。剣御前小屋の焼きそばとビールを楽しみに登った。12時で終了したとのこと。

 外で剣を眺めながらまた乾杯をと思ったが、小屋の中でおでんをほおばりながら、生ビールで乾杯!!飲んべいさんと同じようにしているとちょっと体の変調が来たらしい。さあ、室堂へとくだるが、少々めまいが・・・。

 ほんの少しと思ったら大間違い!ここの下りも長い!ここを登ってきたのだろうか。雷鳥沢のテント場。昔こんなだったろうかと思いながらトイレに走る。右足の足首が靴にすれて痛いし、雷鳥沢までの下りで左親指をガツンとしたし、私一人うだうだしながらゆっくり歩いて迷惑をかける。やっぱり男の人との体力差を感じずにはおられない。沢登でも思ったことだけれど・・・。

 どうにか室堂の最終バスに間に合い、下界の人に帰る。室堂の温泉は4時まで。もっと早く下りれたら、ここにまた入りにきたい。バスの中、剣にガスがかかる。剣登山、本当にありがとうございました。一人ではとうてい訪れることはできない剣。心残りだったピーク踏めて本当に感謝です。楽しい山行でした。

 翌日帰りの車の中、これからの山行はどこがいいとかいろいろ話がもりあがりました。島


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