中蒜山、新庄桜、そして毛無山

2005.4.16-17



花見をするついでに山に登る。本末転倒だが、今回の山行の主目的は「私の場合」新庄村の凱旋桜見物だった。

まずは蒜山ICを下り、中蒜山に登るべく塩釜冷泉へ向かう。以前悪天候のため下蒜山からの縦走が果たせなかったので、今回は雪辱戦である。

快晴のもと、上中下の蒜山トリオの眺めが素晴らしかった。下山後は、はやる心を抑え新庄村へ。例年ならこの時期桜は満開なのだが、今年は全国的に開花が遅れ6分咲というところ。

出雲街道の宿場町の家並みに沿って、日露戦争の戦勝記念として植えられた桜並木が続く。春の夕、桜の下を皆でそぞろ歩いた。うーん大満足。その夜は毛無山の家でいろりを囲み大宴会。翌日の毛無山はついでの山行だなどと不遜なことを思っていた。

翌朝も快晴。山の家の前が登山口なのでゆっくりと起床し出発する。杉林からブナの混じる自然林に変わると、登山道は尾根をゆったりと上がって行くようになる。ブナは芽吹き始めたばかり。所々のタムシバの可憐な白い花が目を引く。

毛無山は岡山県下第一の規模のブナ林を持っているそうだ。山はまだ早春のけはい。穏やかな気分にさせてくれる登山道だ。そして頂上へ。

眼前に雪を抱いた大山の雄姿があった。米子平野からゆったりと盛り上がり、背後には弓ヶ浜がその名の通りの曲線を見せ日本海に接している。大パノラマに呆然とする。話には聞いていたがこれほどまでとは……涙が出るほどの美しさだ。おまけに下山路の白馬山までの稜線はブナの並木道である。

足元の残雪に気を配りつつ、目は大山とブナの大木を追う。数週間後このプロムナードはカタクリの花盛りとなる。登山者は300人にのぼり稜線に数珠繋ぎとなるそうだ。

大山の絶景とブナの並木道的稜線に魅了された私たちは、ブナも色づきそして人気も少ないであろう秋に、再び毛無山から朝鍋鷲ヶ山までの縦走を誓い合った。小林


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