鍛冶屋谷山尾根、遠見

1999.8.1


メンバー:L尾野、久米(福)、小林、佐々木、内藤

 海から吹く風と山に吹く風は違う。では海岸から急峻にそびえ立つ山に吹く風はどうであろうか。 8月1日台風も接近する暑い日、出羽島の頂点、標高約60mののろし山を目指して7時頃県庁を出発した。牟岐の港に着いたのが8時40分、出羽島行きの船は20分に出たばかりで次は11時までで出ない。そこでどこかで優雅にモーニングコーヒを、という意見もあったが、少し足慣らしをしようと南阿波サンラインを日和佐へ向けて、車を走らせた。

 モラスコ牟岐を過ぎ第4展望台を過ぎて、杉の人工林が見えたところで車を止めた。昨年私(内藤)が間伐のボランティアを行った杉林を抜け、一同は鍛冶屋谷山から派生した尾根を目指す。天候は持ちそうだが風はなく、ひたすら暑い・熱い・暑い。尾根に着く頃には汗びっしょりだが着替えは1枚しかないので、女性陣はのろし山のためにとっておく。

 ピークハントではないので、尾根を右へ左へと少しうろつく。東には海、西には田畑が見えるが風がない。1ヶ所風があるところを見つけたので、そこで少し涼む。しかし海からの風は湿り気を含んで、汗を乾かしてはくれない。冬場なら暖かくて気持ちの良い所であっただろう。

 時間が来たので港へ帰り船に乗り込む。漁船よりは快適で、片道230円。台風の影響で上へ下へと船は揺れ、女性陣は大騒ぎ。船の軒下に巣を作ったツバメも餌をもらえず、じっと我慢の20分であった。ツバメの雛は、巣の位置が牟岐−出羽島としょっちゅう変わるので、なかなか餌がもらえない。船頭さんたちが時々餌をやっているそうだ。

 出羽島は集落もこじんまりとして、タイヤのついている物は、手押し車と自転車しかない。目指すは灯台である。東回りと西回り、中央を突き切って行く3本の道がある。遊歩道を通らずに町並みを見物しながら抜け、墓場を抜けたが、すぐにまた東回りの遊歩道に出た。やはり暑い。帰りの船は12時20分と3時。こんなに暑い所で3時までは居られないと、休まず歩く。20分ほどで灯台に着いた。

 灯台の周りは平地になっていて、展望台らしき物もある。しかし、全体に熱い空気が溜まっていて5分と居ることができない。すぐに木陰に逃げ、昼食を食べようとしたが、今度はやぶ蚊の襲来。仕方がないので歩きながらちょっと口を動かし、2つ目の目的である「シラタマモ」の生息地の大池を見に行く。海岸沿いの丸くて大きな石の上を飛んでいくと、水の澄んだ大池が見えた。白玉は見えなかったが、1億4千年前の生き物がこんな所で生き残ったかと思うと、世界に4ヶ所しかないこの場所を大事にしたいと思う。しかしここも海岸なのに風がなく暑い。

 一同はそこから、船に間に合うようひたすら歩く(注:暑いので走れない)。何とか間に合い船に飛び込み、ほっと一息。帰りは行きほどは揺れない。

 港に着くと、私と尾野さんは着替え用にTシャツを買い、千羽温泉へと行く。1人500円。ここの湯がまた熱い。そして休憩室も暑い。次に食事をしようと大浜海岸の浜作へ行くが、食事は休んでいるとのこと。仕方がないので、小林さんリクエストのしぼりたて牛乳を買いに行くが、場所がわからない。結局海賊船で、運転手の尾野さん以外は酒やビールで宴会状態となり、やっと平常状態に戻った。

 最後はバーガーショップでシェイクを飲み、無事徳島へと帰り着いた。良いところはたくさんあったが暑さでぼーっとなって、何をしに行ったのかよくわからない山行であった。夏は標高の高い山に限る。それも、海から遠く離れた山がいい。わかっていたはずなのに、なぜか参加してしまった山行であった。内藤

出羽島の地図
[戻る]