剪宇峠〜友内山縦走

1998.9.27


メンバー:尾野、久米夫妻、小林、西條、大西

コースタイム
剪宇集落、お堂8:40
剪宇峠9:00
978m三角点9:40
11:05
1058m12:20
友内山頂12:35
友内神社13:45
車(鳥居さんの手前)14:05

 山歩きを始めて、かれこれ1年が過ぎようとしている。徳島の山、それも全国的には、ほとんど無名の山への山行がほとんどであったが、どの山行においても新しい発見があり、確かな充実感がもたらされてきた。今回の縦走が心におよぼす作用は、一体どのようなものだろう。

 まずは前もって地図をチェックすることに。標高差、距離ともたいしたことはない。道の状態もあの有名な峠と名峰を繋ぐルートだから、けっこう踏まれていそうだ。それに町村境標もあるだろうし体力的には割と楽な山行だが展望については期待薄か。遠望した記憶では、尾根筋に松の木があったのでマツタケ山があるかもしれない。その他のキノコも期待できそうなのでキノコ図鑑もチェックする。

 当日は雨ながら決行の運びとなり「大蛇を見つけてテレビに出よう。」と軽口をたたきながら剪宇集落へ向かう。雲は低く垂れ込めているものの一応雨は止んだ。お堂横を出発し20分ほどで剪宇峠へ到着。見事な杉の大木と灯ろうがあり歴史を感じさせてくれる峠だ。

 さてと、友内方面への縦走路に目を向けると、これが予想に反した悪路で少々たじろいでしまうが、あすなろ山の会は前進を開始するようなので最後尾につかせてもらうことにする。

 978mをひろってからは、赤テープ、界標が見られなくなり、かわりに目につくのは、シロタマゴテングダケ、猛毒キノコだ。読図力を試す良い機会なので私も手持ちの地図を取り出し読図に努めるが、この成績では厳冬期単独行は難しかったろう。

 916mから峠への降り道が分からず往生したが、会長とリーダーがルートを切り拓いたので、それに続き道無き急坂を下るが、途中尻餅をついてしまい頸筋が痛くなってしまった。石に彫られた道標のある風通しの良い峠で各自行動食を取り小憩した。

 15分程の休憩の後出発。ちゃんと道もあるのであとは楽勝とおもいきや、またしても悪路となる。東宮山、半平山が美しく眺められる箇所があり歩みを止める。半平山があのような堂々とした山体の持ち主だったとは知らなかった。

 1058mは巻いて行こうとの声も出始め、私も一旦同意するが射程距離に入るやいなやメンバー全員ザックを降ろし突撃を開始する。1058mは展望全く無しですぐに下る。

 それから20分位歩いて友内山頂に到着。山頂では40分ほど休憩をとる。あらためて観察するとメンバーの服は泥だらけで遭難者のようであった。マツタケ山も無かったし、けっこうきつい感じのする山行だった。

 もう一度行きたいかと聞かれれば答えに困るが、これでまた一つ故郷の名山を訪れることができたのだ。いつかは行きたいと考えていた、かの有名な峠と名山を同時に味わえるルートを歩き通したことに意義を見いだそう。 大西 

友内山の地図
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