西熊渓谷から綱附森へ

1996.11.30〜12.1


メンバー:片岡(L)、松原、永井、多田

 18:00県庁発で別府峡キャンプ場へ。21:00キャンプ場着。翌朝5:00起床、今年最大の寒波が到来する、との予報どおり雪が舞っている。6:25西熊渓谷の登山口目指し出発する頃には早くも、うっすらと積もり始める。林道の標高700mぐらいから、チェーン着装する。7:45登山口着。すでに3台の4WD車が到着している。綱附けへ向かうのは我々だけで、他のパーティーは三嶺へ。

 8:10止む気配のない雪の中、一年振りの新雪を踏み締めながら、山へと入る。一週間前、季節外れの暖かい陽射しの中を、三嶺から剣へ縦走したのが嘘のような変わり様だ。このころ積雪約15cmで美しい。

 10:00稜線に至る。稜線上では猛烈な吹雪の音。積雪は膝上から腰近くあり、予想外の気象で、今日の全員の装備を見渡すとヤバイ感じがする。やがて降雪量が一段と増え、猛吹雪となる。手前の偽ピークを過ぎる頃、引き返すべきでないかと、迷いがよぎる。もうこれは完全な厳冬期の登山だ。ラッセルの疲労。装備不十分の吹雪で顔面と手は凍り始めている。体感温度は−20度を下回っているだろう。

 12:45頂上着。もしも更に30〜60分このような状態が続けば、凍傷あるいは、悪くすれば遭難という事態に至ったかもしれない。逃げるように頂上を後にする。樹林帯で簡単な昼食を口にし、ようやく安全下山への見通しに胸を撫で下ろす。

 15:50駐車場着。三嶺へ向かった他のパーティーの車はすでに無い。8時間近い登山に終止符を打ったつもりだったが、これからが大変。車全体が凍結し、ドアが開かない。解凍して16:20、漸く車上の人となる。

 帰路も殆ど積雪しており、19時ころ木頭村近くに至るまで、気の張り詰めた運転を強いられる。21:00疲れ切って県庁に辿り着く。

 今回特別に厳しい天候であったわけではない。冬山としては、良くある吹雪だ。それなりの装備をしておれば難なくクリアーできたであろう。いろいろ反省させられる点があった。

 今回の教訓と一般常識

1.登山前には天気予報を必ずチェックせよ。

2.12月になれば、冬山と思え。装備もしかり。

3.冬山ならば車は4WDを使え。可能ならば2台で行くこと。

4.冬の山中に夜間車を駐車するなら、ガソリン車にすること。

5.冬、車には、牽引ロープとスコップを積んでおく。   (記事 多田)

三嶺の地図
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