六郎山

1996.1.13


 寒波もゆるみ、よく晴れた暖かい1日、山頂まで1時間半、頂上までの道ありとのふれ込みで出かけるA氏は山に行く機会が多すぎるので自然と山道の名ドライバー。O氏は単身赴任のお陰で土地勘があり、めっぽう道に詳しい。登山も車中の様にスムーズだとよかったのだが ・・・。

 車を置き、はじの沢ぞいの道から入り、六郎山への取り付きの道を捜すが造林小屋まで行かずに手前の道に入ったものだから、殆ど頂上まで道らしき道に出合わないままブッシュこぎになってしまった。伐採地のおびただしい切り株や背丈を越す笹などブッシュのうちに入らないって思われる程のすごいいばら攻めだった。A・Oの両氏は、「道がない」、「尾野さんにだまされた!」と悲鳴をあげつつもこまめに地図とにらめっこし、現在地を確認しつつ右へ左へ果敢に道を捜す。

 「道だ!」と叫び何度か大喜びしたが、残念ながらいずれもけもの道であった。これが話に聞く南の山なんだと早めに諦め、100%自然も又よし、たった1時間半じゃないのと私はノー天気だった。(実際は、2時間半、腰が痛くなる程、まさしく三人けものの様に殆ど四んばいになってこぎまわったのだけれど。)

 頂上は少し開けて、この山にも山好きの登山者が訪れている雰囲気があった。東、南の眺めは抜群。青く低く、平らな山並みが美しい。キラキラ光る海や和歌山の山並みまでもが、空の高い所に連なって見えた。六郎山は、遠目は美しいが分け入るとひどい目に遭う。O氏によれば通の山。山好きの人のみが味わえる山。顔や手が傷つくのが嫌な人服が破れては困る人、入会させようと思う人など絶対に誘ってはいけません。たのもしいお二人さんのお陰で大変充実した1日を過すことができました。お世話になりました。 久米(福)

六郎山の地図
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