三嶺

1996.7.13〜7.14


 7月13〜14、和歌山の紀峰山の会から、7人のパーティが三嶺を登りに来ました。久米、天野、尾野3人で同行、案内したところ以下の手紙を頂きました。
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 阿波あすなろ山の会 天野様
 先日は、当方の突然の勝手な申し出にもかかわらず、誠に丁寧なご案内をいただき、ありがとうございました。

 隣県ではありますが、海峡ひとつ隔てるだけでずいぶん遠く感じ、地形図を見るだけでも良い山があるに違いないとは思いながら、本会としてはこれまで、四国では剣と石鎚以外の山には出かけたことがありませんでした。今回ご案内いただいた三嶺山は、峻険な遠望を裏切らぬ岩場と、登頂の喜びを倍加する高原的な広がりをあわせもった素晴らしい山で、尾野さんがまずここをと推奨されたわけがよくわかりました。できれば、紅葉のシーズンに再び訪れたいものだと、話し合っております。小屋も予想以上に実に快適で、自治体がそれなりに登山に対する理解を持っていることが実感されました。和歌山にはあのような配慮はまったくありません。

 たしか、下山の際に通過した最初のコブから少し下に笹原の中で単独で屹立する岩がありました。実は小生、あのような岩を見ると、とりあえずその天辺で寝転んで昼寝を楽しむ習性があるのですが、今回はそれができなかったことだけが心残りとなっておりますので、もし先に述べましたような秋の再訪が実現しましたなら、今度は昼寝の時間を行程にしっかり組み込んでおきたいと考えております。また、沢登りも面白そうだと思いました。最後の薮漕ぎを終えてあの笹原へ飛び出したとしたら、そのときに味わう解放感はどれほど素晴らしいものでしょうか。

 ただ、下山中に観察した限りでは、全体に岩は脆いように受け取りました。従って、そう落差のある滝は発達せず、岩飛びと細かなボルダリングに終始するような沢登りになりそうな気がします。こうした予想を裏切るような滝に遭遇すればこそ沢登りは興味深いのですから、そうした隠れた滝があることを期待したいものです。

 なお、天野様と久米様には、わざわざ小松島までご一緒いただき、ついでにキャンセル待ちの心配までつき合わせてしまいましたが、無事16時35分発のフェリーに乗ることができ、結果として心配は杞憂に終わって予定どおり日暮れまでに和歌山に帰り着いております。余計な心労までおかけして、申し訳ありませんでした。

 今回のお礼といったたいそうな意味なありませんが、おつきあいをいただいた印にこの品をお送りします。お酒はあまりお召し上がりにならないようでしたので、みんなで相談してごく普通のありふれた品をお送りすることとしました。貴会のコンパ等でお飲みください。ちなみに、本会ではミーティングであれ運営委員会であれ、果ては学習会であれ、会合のたび、三行のたびに飲んでおります。彼我、相当会の品格には差があるように思いましたことを、つけ加えておきたいと存じます。

 もし、気が向いて紀州の山河をご訪問の節は、ぜひご連絡ください。久米会長様、尾野様、あすなろ山の会の皆様にも、天野様からぜひよろしくお伝えください。末筆になりましたが、皆様のご健勝、ご健脚を心より祈念いたしております。

 1996.7.15 紀峰山の会三嶺山交流山行パーティを代表して 重栖

三嶺の地図
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