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久重山

1995.6.9〜11


出発の日は梅雨に入ったばかりで、やはり雨でしたが、翌朝には雨も上がり別府に着いて長者原へと向かう時にはうれしいことに日も差してきはじめました。

そして長者原に車を置き予想以上に多い登山客に交じり私たちはいざ出発しました。

登りはじめて約1時間くらいするとミヤマキリシマが顔を見せはじめ、そして再び進むこと約30分、坊ガツルキャンプ場に近づくにつれ一段と群をなすミヤマキリシマが現れるとうわっと思わず声をあげるほどきれいでした。

そして広大な坊ガツルの盆地を抱えるようにとりかこんだなだらかな山々の頂上から下へと咲きみだれるミヤマキリシマは、まるで甘いいちごのみつをかけた巨大な抹茶の氷アイスのような光景でなんだかほほえましい気分でした。

そして少し休憩した後帰ることにしましたが、帰りのすがもり越からの道は行きとは全く違う風景で、巨大な岸壁を横に見ながら、道もごろごろした岩石ばかりの急な坂道でしたが、その右上方の荒々しい岩肌を這うように覆っているミヤマキリシマはさっき見たほほえましいものではなく、なんだか力強いものを感じました。

峠を登りつめると硫黄の噴煙がいくつも上がっていて、ああこれが九州の火山山系なんだと強く実感しました。

そして、下山途中にもミヤマキリシマは咲きみだれ、間近に一つ一つ見るとほんとに小さくてかわいい花です。

咲く場所によって違う姿を印象づけるミヤマキリシマを十分に堪能でき、最後に温泉に入って疲れを汗と一緒に流し、私は十分満足し、本当に来てよかったと思いました。そして、もっといろんな場所のいろんな姿の山行に臨みたいと思いました。(楠)