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県連冬山合宿 石鎚山

1995.1.14〜16



今回、冬の石鎚を初体験し、またひとつ新しい山を歩けたことに、とても充実した思いです。

山は3日共、夜間を除いては風は弱く、降雪殆どなく前後の視界良好と、安定した天候に恵まれた。

14日成就社で、登山届を提出する。その時点で、すでに私は息づかいも荒く、ザックの重さが腰を痛める。女ひとりだからと甘えたくないと思いつつも、好意に甘え、荷を分けてもっていただきザックを軽くする。

登山道はトレースがつけられており、成就社では積雪1mと聞かされていたが、登山道を歩く分には大した雪はない。

途中、少し段差がきついな、と思うところに右足を置いた途端、足がつり、筋肉が硬直してしまった。これも又、山では初めての経験であった。右足をさすり、温めることで回復し、他の行動には影響はなかった。

その後、アイゼンをつけると雪上の歩行がぐんと楽になり、ピッチがあがる。

14:20 キャンプサイトに到着。雪はサラサラと砂のようで、足で踏みしめても平らな面がつくれない。おかげでテントの床は、夜になりようやく自分たちの体重でしまってくるが、お尻を置いたところだけがやたらと落ちこんでしまった。

水炊きの夕食とアルコールを飲み終え、PM8:00就床。寝返りもままならないテントの中で何度も目覚め、睡眠を邪魔する。

翌朝15日、4:30起床。ご飯とみそ汁の朝食を終え、6:30山頂に向かう。

約1時間で弥山に到着。私たちの他には誰ひとりいない。記念写真を撮り終えると、すぐに天狗へ向かう。午前の岩場はわずか1m程のところだが、四つん這いになって恐々と通過する。

天狗に立った後、二の森に向かう。トレースはなく、深い雪にアイゼンからワカンにはき替える。

西の冠下のトラバースは時には太腿までの雪をかきわけていく。西の冠のピークと、二の森方面を結ぶトレースを見つける。

おかげで、これより先私たちは、このトレースをたどって西へ進むが、途中から夏道をはずれ、ヤブの稜線をたどっており、おのずと私たちも、ワカンをはいてのヤブコギとなった。

そのうえ、途中はほんの1m程のところだが、両側に切れ落ち、通過するのに大層緊張したものだった。

その後登りつめたところが二の森と思いきや、1km程手前にある1866mのピークだった。

このピークは面河尾根を登りつめたところに位置し、先のトレースはこの尾根を登り、石鎚へと続いていたわけだった。しかも、稜線をつたっており、その根性には私たちは皆、感心した。

当初予定していた二の森まで、これから先まだ1kmもあることが分かると、ここで引き返すことに皆の意見が一致した。傾斜が急なところはワカンが滑りがちで、なかなか思うように歩けない。しかし、前に進もうと苦闘するのもまた楽しい、

14:45 テンバ着。

16日朝、まだ日が昇らない暗いうちから、頂上へ向かう人たちの声が聞こえる。

あたりが明るくなりかけた6:50、成就社に向かって出発する。

途中、北東に瓶ヶ森が、ガスを払いのけ姿をのぞかせる。約1時間をかけ、ロープウェイ上駅につくと、スキーヤーが始発に乗って、登ってくる頃だった。

3日間の石鎚は、少し鼻の頭を日焼けさせ、気持ちを豊かにしてくれた。(田村)