この前登った東赤石で、すっかり赤石山系の魅力に取り付かれてしまった。
遺跡の独特の雰囲気と素晴らしい山頂からの展望は、風の噂で知っていたし、実際に行った人の話しや幾つかのガイドブックでも薄々は知らされていた。
東赤石の時、できれば西赤石まで縦走したかったのだが、体調がおもわしくなかったのであきらめざるを得なかった。近い内に登ることを誓い、あっというまにその日になった次第である。
さて炎天下、ヘビの出現におびえながら、立派な登山道を上へ上へと向かった。全体的には平坦な所が多く、展望も時折得ることができた。
ただ無性に暑く、特に銅山越から山頂までの間は「もうすぐ」と思って気が緩んだせいか、僕は恥ずかしながらバテバテだった。水が足りなくてどうしようもなかった。
「どうも赤石とは相性がよくないのかもしれない」なんて思いながら交互に足を放り出した。
さすがに山頂付近は思った通り、明るく、開放感を満喫する事ができた。疲れもやや和らいだ。
しかし、先日の東赤石と比べると、山全体が少し優しすぎてちょっぴり物足りない気がしないではなかった。
帰りは、4人とも意見が一致して「マイントピア別子」で温泉につかり、脇町の花火大会で涼を取った。
花火なんて10年振りぐらいだったと思うが、年を取ったせいか「案外鑑賞に耐えるもんだな」と感心した。
10号のしゃくだまが上がった時の轟音と山鳴りは、久しくなかった体の震えを覚えるほどに衝撃的だった。(尾野)