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綱附森

1993.4.4


前日(4/3)は春爛漫の花見日和。すっかり浮かれた私は、天気予報も見ず、晴天の山行を想像し、わくわくして寝付かれなかった。しかし、当日は曇り空(予報は下り坂だったらしい)。

登山口には先客の車2台。鶯の愛らしいさえずりに出迎えられ、笹の中の道へ踏入るのとほとんど同時に、ガスが周りの山々を白く覆ってしまった。

片道3〜4時間と聞くコースタイムと空の色に不安になりつつも、芽吹き始めたブナの林で小鳥を探し、笹の原っぱで解放感に浸る。

一つ越えて行くと、白く隠されていた次のピークが見え、また行くとまた次が見えてくる様子は、何か紙芝居的だった。

向こうが頂上かと思った矢先、昼食中の6、7人のパーティに「ここが綱附頂上よ」と言われ拍子抜けする。

約2時間、昼食を終える頃、ついに雨。カッパを着ての帰り進、私の初体験の山土佐矢筈、天狗塚、牛の背などを霧の合間に見る。登った山を、別の所から見るのは愉快だ。

大嫌いなはずの雨の中でも、足取りは軽かった。振り返ると、行きには見えなかった網附までのなだらかな稜線が美しく見えていた。(明本)